“NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れろ”を読んでの感想

2019年6月19日

こんにちは。とってぃです。

今回は、“NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れろ”を読んで気になったこと、感じたことをご紹介したいと思います。

オールドパワーとニューパワー

本書では、少数の人間が権力を持っていて閉鎖的な状態であり、リーダー主導型の組織や人間をオールドパワー一方、多数の人間によって生み出され、オープンな参加型の組織や人間をニューパワーとして説明しています。

従来は、オールドパワーの組織や人間が多かったのですが、最近では、ネット社会の拡大により、多くの人がオープンに参加するニューパワーの組織や人間が増えてきています。

オールドパワーが悪でニューパワーが善というわけでは無いのですが、ニューパワーの仕組みや価値観を認識しておくことが、これからの社会を勝ち抜いていく上で重要であると本書では説いています。

本書を読み、メーカーで研究者として働いている自分に置き換えた場合に、気になった点が2つあったので以下に書いていきたいと思います。

オールドパワーとしての「問題解決者」とニューパワーとしての「解決策の探求者」

オールドパワーの価値観を持った人間は、自分の専門知識を使って自分だけの力で問題を解決しようとします。つまり、自分自身が「問題解決者」となります。

一方、ニューパワーの価値観を持った人間は、自分の力だけでなく、周りの人と連携して問題を解決していきます。このような人間は、誰に聞けば問題を解決できるかを知っている「解決策の探求者」です。

自社だけでなく外部の力も使って研究開発を進めていくオープン・イノベーションは、ニューパワーの代表的な考え方です。

本書では、NASAの例が取りあげられています。

ある開発課題をオープン・イノベーションで一般に公開したところ、通常では開発期間が3~5年を要する課題について、3~6ヶ月で問題が解決したとのことです。

さらに、コストや質の面でも、オープン・イノベーションでは、通常の研究の場合を上回っていたとのことであり、ニューパワーの考え方を使うことで上手く進めることができたと説明されています。

自分自身を振り返って

私は、研究者として働いていますが、自分の研究テーマについて、自分自身で解決しようと考えることが多くなっています。

良く言えば、責任感が強く、自分でなんとかしようとしていると言えますが、悪く言うと、他の人を頼りにすると、成果が自分の物にならないと考えてしまっていると言えます。

しかし、本書を読み、これからの時代を上手く生き抜くには、ニューパワーの考え方が重要になってくると感じました。

外部に目を向けることで、自分の境界を広げることができ、その過程で思いもよらない発見や人との繋がりができる可能性があり、結果的に、より研究を推し進めることができるからです。

本書を読み、自分だけでなんとかしようとするのではなく、周りの人の知識を活用して研究を進めることが必要であると認識させられました。

あなたの場合はどうでしょうか。何でも一人で解決しようとしていないでしょうか。

そんな方は、ニューパワーの考え方を取り入れ、より効率的に成果を上げていくというやり方も試してみてはいかがでしょうか。

オールドパワーのリーダーとニューパワーのリーダー

本書では、アメリカのトランプ大統領と、オバマ元大統領のリーダーシップの違いについて書かれています。

トランプ大統領は、自分がアメリカを変えると発言しますが、オバマ元大統領は、「Yes We Can」という選挙演説での発言に代表されるように、私達、あなた達がアメリカを変えるという考え方を持っています。

トランプ大統領はオールドパワーの価値観を持ったリーダーであり、オバマ元大統領はニューパワーの価値観を持ったリーダーと言えます。

リーダーシップについての本はたくさん出版されていますが、本書で紹介されている例は、とてもわかりやすいと感じました。

自分自身を振り返って

私がこれまで持っていたリーダー像は、自分で物事を推し進めていくというものでしたが、これからは、ニューパワーの価値観を持ったリーダーが必要とされると感じました。

オープン・イノベーションと同じように、リーダーの力だけでは、限界があるので、チームや仲間の力を上手く活用する必要があります。

そのために、場合によっては、リーダーは支え役に回ることも必要になってくると感じました。

私は、仕事において、いくつかのプロジェクトに参加しています。

プロジェクトにおいて、リーダーに実力があり、メンバーを引っ張っていけるのであれば、オールドパワーの価値観を持っていても問題は無いかもしれません。

しかし、そうでない場合は、チームメンバーがニューパワーの価値観を持ち、全員で取り組むという意識を持つ必要があります。

最近の若手は、大人しい人が多いので、これからはプロジェクトにおいても、ニューパワーの考え方を持って取り組んでいく必要があると考えます。

あなたの周りのプロジェクトメンバーはどんな人が多いでしょうか。プロジェクトの進捗は期待通りでしょうか。

もし、リーダーが頼りなかったり、進捗が芳しくないようでしたら、メンバーみんなで推し進めていくという意識に切り替え、取り組んでみてはいかがでしょうか。

そのためには、まず、あなたからニューパワーの考え方を持ってメンバーを引っ張っていかなくてはいけません。

リーダーに頼らずに、メンバー全員がリーダーシップを発揮し、プロジェクトを進めていけるように、お互いの役割や取り組みに興味を持つように仕向けていきましょう。

まとめ

これからの社会を生き抜くために、本書を読んで、ニューパワーの価値観・考え方を理解していくことは有益であると感じました。

ぜひ一度手にとって読んでみてください。