修士課程(マスターコース)から博士課程(ドクターコース)に進学して良かったこと
こんにちは。とってぃです。
大学院の修士課程で研究をしている学生さんは、修士卒業後に企業に就職するか博士課程に進学するかを選択する必要があります。
研究が大好きで研究室に籠もっているような学生さんやもっと突き詰めて研究をしてみたいと考えている学生さんは、博士課程への進学を真剣に悩んでいるのではないでしょうか。
一方、巷では、博士は就職が困難ということや、ポスドクで非正規雇用が続いている人が多いといったネガティブな情報が出てくることがあり、進学することに対して不安があることも事実だと思います。
そこで、今回は、進路を考える上で参考にしていただけるように、私自身が修士課程から博士課程に進学して学位を取得した後で感じた良かった点をご紹介したいと思います。
自分でなんとかしようとする責任感が身に付いた
私が博士課程に進学して良かったと一番に感じることは、自分でやらないといけないという責任感が身に付いたことです。
一般的に、修士課程は、教授や助教の言うことを聞いて実験をしていれば卒業できます。
極端に言えば、研究室に毎日来てさえいればOKです。
しかし、博士課程は自分で研究成果を出さなければ学位を取得することができません。
ドクターの学位は、与えられるものではなく自分で勝ち取りにいくものです。
そのため、自分でなんとかしないといけないという意識が芽生え、嫌でも責任感が身に付きます。
この自分でやらないといけないという責任感は、その後の社会人生活において、とても大切な力となりますので、博士課程の間に身に付けることができたのは良かったと感じています。
考え抜く力を身に付けることができた
博士課程は研究成果を出さないと卒業できないため、どうやったら目の前の問題を解決できるか、何をすれば狙いの結果が得られるかということ自分で導き出す必要があります。
そのため、難しいことでも考え抜いて答えを出すという力を身に付けることができるようになります。
社会人になっても困難な壁にぶつかることは何度も出てきます。
そんなとき、自分の力で考え抜いて答えを導き出せる力を持っているというのはとても有利になります。
専門知識が身に付いた
博士課程では、自分の専門分野を突き詰めていくため、当然の事ながら専門知識を身に付ける事ができます。
私自身は、博士課程に進学することで、修士卒の同級生と比べると社会人として3年間出遅れるという焦りがありました。
しかし、実際に会社に入ってから周りを見渡してみると、修士卒で企業に就職しても、場合によってはその会社でしか使えないスキルが身に付くだけということがよくあることがわかりました。
そのため、修士卒の同級生よりも働き始めるのが遅いということに関しては何も焦る必要はありません。
むしろ、今後の人生でずっと役に立つ専門知識を博士課程の間にきちんと身に付けておくことの方が重要ですので、私は進学して良かったと感じています。
研究者とのつながりができた
博士課程で研究をしていると、学会や研究会などで自分の研究室以外の教授やポスドクと会って話す機会が多くなり、研究者とのつながりを作ることができます。
修士課程から同じ研究室に所属しているのであれば、自分の教授の交友関係も把握しやすいので、よりスムーズにつながりを作ることができると思います。
博士課程卒業後に研究者として大学に残るのであれば、研究者同士のつながりというのは非常に大切になりますので、積極的にコミュニケーションを取り、自分を売り込んでおくようにしましょう。
一方、博士課程卒業後に企業に就職する場合でも、研究者とのつながりを作っておけば、いざ共同研究をしようとなったときに、どこの大学の誰と共同研究をすれば良いかがすぐにわかりますし、大学との契約もスムーズにできるといったメリットがあります。
スムーズに学位を取得できた
同じ研究室で修士課程から博士課程に進学する場合は、同じテーマで研究を続ける場合が多いので、成果を出しやすいというメリットがあります。
途中で研究テーマが変更になる場合は、一概には言えませんが、その場合でも研究室の状況をよく知っていれば実験をスムーズにでき、必要な情報もすぐに入手できるはずです。
同じテーマで研究を続けていれば、博士論文作成の際に修士課程でやっていた結果も使えるので立派な論文を書けるのではないでしょうか。
社会人ドクターという選択肢もあるが・・・
博士の学位を取得するには、社会人ドクターという選択肢もあります。
しかし、働きながら学位を取るのは相当の努力と労力が必要です。
研究に費やせる時間は学生に比べると短いため、修士課程から進学して博士課程に行った場合に比べると学位取得にかかる期間が長くなる傾向があります。
また、社会人ドクターの生活スタイルは、平日は会社で働き、休日に大学で実験をするというように休みが無くなるので体力に自信がないと厳しいというデメリットがあります。
会社で社会人ドクターを取らせてくれるとは限らない
また、会社で社会人ドクターを取らせてもらえるとは限りません。
会社によって考え方や経営状況が変わりますので、自分が希望したときに社会人ドクターになれるわけではありません。
私の勤めている会社でも社会人ドクターで学位を取得した人は何人かいますが、行きたいと言って希望が通らなかった先輩も見ています。
そのため、自分の意志で決められるときに進学しておくと良いと思います。
学生を3年長く続けられた
最後に、博士課程に進学することで学生を3年長く続けられたのは良かったと思います。
学位取得に向けての研究において責任を持たなくてはいけませんが、学生であることには代わりはないので気持ち的には楽です。
卒業してから30年以上働くことを考えると博士課程の3年間というのは正直誤差でしかありません。
そのため、少しくらい社会人への猶予期間があったとしても大したことはありません。
まとめ
今回は、博士課程への進学を考えている学生さんが参考にしていただけるように、私自身が感じた修士課程から博士課程に進学して良かったことをご紹介しました。
博士課程への進学は大きな決断だと思いますので、自分自身でよく考えて答えを出してみてください。
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