大学における研究室選びのポイント 将来を決める重要な選択

こんにちは。とってぃです。

理系の学部に所属している学生さんは、卒論を書くために学部の3年生もしくは4年生の時点で、どの研究室に入るか選択することになります。

自分のやりたい研究ができる研究室を選べばいいのですが、学部生の知識では研究室でやっている内容というのは専門的すぎてよくわからないというのが本音だと思います。

 

なかには、教授が教えている授業を受けているからわかると言う人もいるかもしれません。

しかし、授業の内容は基礎の基礎であり、その教授が実際に研究している内容とは大きく違っている場合がほとんどです。

授業で使う教科書に書かれていることは、研究室で研究されている最先端の内容ではありません。

 

では、どうやって自分の将来を決めるかもしれない研究室を選べばよいのでしょうか。

答えとしては、自分が希望する分野がある程度決まっていれば、あとはその分野の研究室から研究内容以外の視点で選択するのが良いと思います。

そこで、今回は、研究内容以外の点から研究室を選ぶ際のポイントをご紹介したいと思います。

 

研究室に所属している人の雰囲気で決める

研究室に配属されたら一日の大半を研究室で過ごすことになります。

そのため、研究室の雰囲気が自分に合っているかを見極めることが重要です。

雰囲気と言っても何を見たらよいかわからないと思いますので、順番に説明していきます。

教授の人柄を見て決める

研究室の色というのは、良くも悪くも教授で決まります。

言ってみれば、研究室は教授を社長とした会社のようなものです。

そのため、教授がどんな人であるかを把握することが重要です。

学部で授業を受けたことのある教授であれば、授業を受けたときの印象からおおよその人柄は掴めると思います。

毎回出欠を取り、遅れてきた人には注意をするような管理の厳しい教授や、授業が適当で学生の好きなようにさせる教授といったように、その教授の性格が授業にも出てくると思います。

一方、授業を受けたことがない教授の研究室が配属先の候補になっている場合もあります。

その場合は、教授の雰囲気が全くわからないので、知り合いの先輩に聞くのが一番です。

様子を聞ける先輩がいないようでしたら、配属前の研究室見学などを利用して、教授がどんな人という情報を集めるようにしましょう。

教授は研究者であるが教育者ではない場合がある

一般的に先生と呼ばれる人は、学生の面倒をよく見て、指導をしてくれる人という印象があると思います。

しかし、大学の教授というのは、研究者として非常に優秀でも、教育者としてはイマイチという場合が良くあります。

研究室では、研究の進め方を学ぶことが一番の目的であるので、良い研究者よりも良い教育者に指導してもらったほうが、自分の成長のためになります。

そのため、すごい成果を上げている研究室だということだけに目を向けずに、学生の面倒をよく見てくれそうかという点にも注意をして研究室を選択することをオススメします。

先輩の様子見て決める

教授によって研究室の雰囲気が決まるのは事実ですが、研究室生活において、普段話したり、世話をしてくれたりするのは先輩という場合が多いので、研究室にいる先輩が自分と合いそうかということも見ておく必要があります。

ただ、研究室に先輩は何人もいるので、全ての人が自分と相性の良い先輩ということはほとんどないと思います。

大抵どこの研究室にも変わり者の先輩がいて、配属されてからは苦労することがよくあります。

そのため、丁寧に教えてくれそうな先輩や知り合いの先輩など、困ったときに頼りになりそうな人がいるかどうかを確かめておくことが重要になります。

学生の人数や准教授や助教の人数で決める

学生一人ひとりに時間をかけて指導してもらえるかという点で研究室を見てみることも大切です。

教授に対しての学生の数が少なければ、それだけ丁寧に指導してもらえますので、自分の力を付けることができます。

実際に、私が研究室を選んだときも、研究室あたりの配属人数が少ないところを選びました。

その当時の私も、学生の人数が少ないほうが、しっかり見てもらえると考えていました。

一方、1つの研究室に何十人も学生がいるようでは、さすがに教授が一人ひとり面倒を見るというのは難しくなります。

准教授や助教が何人もいて、指導できる体制になっているのであればいいかもしれませんが、最近ではそのような状況は中々ないと思います。

ただ、中には、たくさん学生がいるところでワイワイやりたいという人もいると思いますので、そのような人は学生の数が多い研究室を選んで楽しくやっていくのもアリでしょう。

 

研究室の決まりや環境で決める

研究室に配属されたら一日の大半を過ごすことになるので、研究室の決まりごとを事前に把握しておくほうが賢明です。

また、研究室の環境も気にしておく方が良いでしょう。

ポイントとしては、

  • 何時から何時までいないといけないのか(コアタイムは何時か)
  • 土曜日も出てこないといけないのか
  • 居室や実験室はきれいか

といったことです。

コアタイムについては、明言されていなくても、暗黙の了解で決まっているような場合もあるので、気をつけてください。

研究室に配属されてからもアルバイトやサークル、部活などを継続したいと考えている人は、コアタイムと共に、土日に出てこないと行けない場合があるのかといったことも確認しておきましょう。

環境については、綺麗好きで汚いところは耐えられないという人もいると思いますので、一度は研究室見学に行き、どんなところかは確認しておくようにしましょう。

 

最近も継続的に論文が出ているかで決める

最後は、博士課程への進学を考えている人にとって重要な点をご説明します。

それは、研究室から論文が最近も継続的にでているかという点です。

教授が忙しくて論文を見てくれないことがある

教授によっては、仕事が忙しくて学生の論文を見てくれない場合があります。

そのような場合、研究室から論文がでていないことがあるので、研究室のホームページや論文検索のサイトで、ここ数年にでている論文がどのくらいあるかを確認しておきましょう。

 

博士課程まで行くことを考えると、教授が論文を見てくれないのは大きな問題となります。

というのは、博士号の取得要件に論文○報といった条件がある場合があるからです。

そのような場合に、教授が中々論文をチェックしてくれないと、卒業ギリギリまで、自分が卒業できるのかと不安にならなくてはいけません。

私のいた研究室の教授は、外部での仕事が忙しく出張も多かったので、論文をチェックする時間を取ってもらえませんでした。

そのため、論文の原稿が教授室で何ヶ月も熟成されているという状態でした。

 

また、博士号取得後に大学や研究機関で研究を続けたいのであれば、卒業時点での論文数というのは大切です。

研究の成果は主に論文数で見られるので、論文が出ていないと、すごい研究をしていても認めてもらうことができません。

実験を繰り返してやっと出た結果が論文にならずに、時間だけが過ぎていくというのは、自分のキャリアにとって大きなロスとなります。

そのため、研究室から論文が出ているかを確認し、教授が論文をチェックしてくれるかどうかを把握しておきましょう。

 

まとめ

今回は、研究室配属を控えた学生さんが、研究室を選ぶときに気をつけるポイントをご紹介しました。

理系の学生の場合、どの研究室に行くかでその後の人生が決まる場合がありますので、十分に情報を収集し、納得した状態で選ぶようにしましょう。