自分の子供が大学院博士課程(ドクターコース)に進学したいと言ったら親はどうするべきか

こんにちは。とってぃです。

もし自分の子供が大学院の博士課程(ドクターコース)に進学したいと言い出したら、あなたはどうするでしょうか?

ご自身が博士卒であれば、博士課程の様子や生活スタイルがわかるので進路に対してアドバイスができると思います。

しかし、ご自身が大学院に行っていなかったり、修士卒であったりする場合は、進学させて大丈夫かと不安になるのではないかと思います。

特に、博士課程まで行って就職できるのか、学費が更に必要になるが大丈夫だろうかというところが不安だと思います。

そこで今回は、自分の子供が大学院博士課程に進学したいと言い出したらどうすべきかという点について、博士卒の私の視点からご紹介したいと思います。

子供の意志を尊重するべき

実際の状況がどうであれ、まずは、お子さんが自分から言い出したのであれば、その意志は尊重するべきです。

大学院修士課程の間に研究室での生活や先輩の様子などを見て状況が一番わかっているのは本人なので、本人の判断に任せるのが良いと思います。

研究室で研究をしたことのない方には状況がわかりにくいと思いますが、その場合は、本人から直接様子を聞いておけば、おおよそのイメージは持てます。

ただし、博士課程への進学は条件付きで許可する

博士課程に進学したいと言っても、無条件で許可するのはあまり良くないと思います。

ストレートで行っていれば、博士課程進学時の年齢は24歳であり、十分大人になっていますし、周りの修士卒の人達は社会人として歩み出すところなので、きちんと自立させる必要があります。

経済的に自立させる

1つは経済的に自立させるのが良いと思います。

大学院の修士課程まで進学させるだけでも、相当な学費がかかっていますので、大抵の場合、親の負担は大きくなっています。

そんな中、博士課程の学費まで面倒を見てあげるのはどうかと思います。

そのため、自分で奨学金を借りて生活させたり、アルバイトをさせたりして、経済的に自立させるのが良いと思います。

また、大学や研究室によりますが、博士課程の場合は研究員として給与をもらいながら研究をすることができることがあるので、そのような場合は、特に支援をする必要性は低くなります。

なお、日本学生支援機構の奨学金の場合、在学中に顕著な成果(論文投稿や学会賞受賞など)を上げれば、奨学金の返還が全額または半額免除になるシステムがあります。(平成30年度からは、免除者数の割合を全体で30%から45%まで拡充しているようです。)

博士課程の進学を希望しているくらいであれば、それなりの成果を出せる可能性が高いので、このようなシステムを上手く活用するのもアリだと思います。(私自身も半額免除を受けることができ、とても助かっています。)

社会人として自立させる

2つ目は、社会人として自立させることです。

周りの修士卒の人達は、社会人として働いている中で、いつまでも学生気分でいさせるのは良くありません。

実験で夜遅くなることもあると思いますが、きちんと朝起きて、生活リズムを自分でコントロールできるようにしておくべきだと思います。

また、自分自身で目標を明確にし、将来どうなりたいのかを考えるなど、いつ社会に出てもやっていけるようにトレーニングしておく必要があります。

博士課程3年間の意味は十分にある

小学1年生から数えると大学院の修士課程まで、実に18年間も学校に送り続けて、あと3年間も学校に行くのかと思われるかもしれません。

しかし、最後の3年間は十分に意味のあるものになるはずです。

以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

最近は人生100年時代と言われ、これからは学び直し(リカレント教育)が重要になると言われています。

しかし、日本のような終身雇用が根付いている国では、そう簡単にやり直すことはできないというのが現実です。

そのため、今後の人生に役立つ知識やスキルを初めのうちに身に付けておくことが大切になってきますので、博士課程の3年間は無駄にはならないはずです。

リスクも認識しておく必要がある

博士課程の3年間が意味のあるものだとしても、進学することによるリスクは認識しておく必要があります。

3年で卒業できるとは限らない

博士課程は、基本的に研究成果が無いと卒業させてもらえないため、3年間で必ず卒業できるとは限りません。(早期に成果を出せれば、3年未満で卒業できる可能性もあります。)

3年で卒業できない場合、継続して在学するのであれば追加の学費がかかりますし、学位取得を諦めるのであれば最終学歴は修士卒(または単位取得退学)という扱いになります。

この点は、十分に認識しておく必要があります。

博士課程を卒業しても良い会社に就職できるとは限らない

現在の日本では、博士の採用人数はそれほど多くありません。

そのため、たとえ博士課程を卒業できたとしても、多くの親が希望するような大企業や有名企業に就職できるとは限りません。

大企業に就職すること自体が目的なのであれば、むしろ、修士卒の方が可能性は高くなります。

卒業後にポスドクとなり、任期付き雇用の状態が続く場合がある

博士号を取って、大学や研究機関等で研究を続けたいという場合、卒業後はポスドク(ポストドクター)という非正規雇用の研究者として働く場合が多くなっています。

この場合、任期付きポストのため、生活が安定しないというリスクがあります。

助教になるには、ポストが空かないといけないので、いつなれるかという見通しが立たないのも不安材料です。

ただ、将来、大学や研究機関等で研究を続けたいということであれば、避けて通れない道なので、仕方がないと考えるしかありません。

まとめ

今回は、自分の子供が大学院博士課程に進学したいと言い出したらどうすべきかという点について、博士卒の私の視点からご紹介しました。

お子さんの意志を尊重する方が多いのではないかと思いますが、将来を考えさせる良い機会だと思いますので、相談されたときには、膝を突き合わせてじっくり話し合ってみてはいかがでしょうか。